活動報告
こんにちは。
人が生きる治療院づくりをサポートする
株式会社ベイルの宇城です。
今回は、「人が活きる治療院とは?」についてお話しします。
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なぜ「人が活きる治療院」が必要なのか?
今、治療院業界には多くの課題がありますが
その中でも特に大きいのが、次の3つだと考えています。
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1. 働きやすさへの不満が蔓延している
多くの治療院をサポートする中で、スタッフの方々からよく聞く不満があります。
それは大きく分けてこの3つです。
• 拘束時間が長い
• 休みが少ない
• 給料が低い
数年前と比べればかなり改善されてきた部分でもありますが、
いまだに「働きやすさ」への不満は根強く残っています。
特に若い世代では、この点に敏感になっている印象があります。
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2. 売上至上主義の広がり
もちろん、企業である以上、売上や利益を出すことは大切です。
しかし、「売上がすべて」という考え方が強くなりすぎると、
現場は「とにかく数字を上げろ」という圧力に疲弊してしまいます。
「患者様の身体を良くしたい」という想いを持って入社したスタッフが
「売上がすべて」という環境にギャップを感じ
仕事のやりがいを感じられなくなってしまうことが多いです。
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3. 柔道整復師の減少
こうした背景の影響もあり、柔道整復師の受験者・合格者数は年々減少しています。
私が授業を担当している専門学校でも、
鍼灸科は定員30名に対して35名ほど入学しているのに、
柔道整復科は昨年まで3クラスあったものが、今では2クラスに減ってしまいました。
このままでは、業界全体が立ち行かなくなる可能性もあります。
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これからの治療院に求められること
これからの治療院が生き残るためには、
スタッフがイキイキと働き、待遇面もより改善できるような企業体制づくりが欠かせません。
ここで重要なのが、「働きやすさ」と「働きがい」の違いです。
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ハーズバーグの二要因理論から考える「働きやすさ」と「働きがい」
心理学者ハーズバーグは、「職場での満足と不満足の要因」を分けて考えました。
• 満足を生む要因(働きがい)
→ 達成感、承認、仕事そのものの魅力、責任、成長実感など
• 不満足を生む要因(働きやすさ)
→ 給与、労働条件、会社の方針、人間関係など
つまり、
「働きがいを高める要素」と「働きやすさを整える要素」は別物なのです。
いくら給与や労働条件を改善しても、
それだけでスタッフがイキイキ働くようにはなりません。
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働きがいは“現場”、働きやすさは“会社”が作る
もう一つ大切なポイントがあります。
• 働きがいは、個人の考え方や院の取り組みで高められるもの。
• 働きやすさは、会社の意思決定でしか高められないもの。
つまり、スタッフがどれだけ「働きやすくしたい」と思っても、
自分たちだけでは改善できません。
働きやすさを実現するには、しっかりと利益が上がる体制を作り、
経営者が判断をできる業績を上げる必要があるのです。
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不満が増えると“負のスパイラル”に
スタッフが「働きやすさ」に対する不満ばかりに意識が向くと、
仕事の質が下がり、患者様の満足度も下がります。
患者様が減れば売上も下がり、
結果として経営者は「働きやすさ」の改善ができません。
それがさらなる不満を生み、
業界が疲弊する“負のスパイラル”に陥ってしまうのです。
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働きがいを追求することで生まれる”正のスパイラル”
一方で、スタッフが「働きがい」を追求するとどうなるでしょうか。
「もっと達成感を得たい」
「もっと患者様に喜んでほしい」
「もっと成長したい」
そうした想いが仕事の質を高め、
患者様の満足度も上がります。
結果として売上・利益が増え、
経営者はより「働きやすさ」を改善できるようになります。
この“好循環”こそが、治療院を成長させる原動力です。
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「人が活きる治療院」とは?
私たちが考える「人が活きる治療院」とは。
自社の理念・ミッション・ビジョンに基づき、
お客様をより良い未来へ導くために、
当事者意識を持った一人ひとりのスタッフが、
信頼する仲間と協力し高め合い、成功体験を積み重ねることで、
仕事・会社・仲間・自分自身が世の中に貢献しているという
自信と誇りを持てる治療院。
こうした状態を指します。
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まとめ
働きやすさの改善はもちろん大切です。
ですが、その環境を手に入れるためには、
まず「働きがい」にあふれる現場をつくることが必要です。
私たちは、そんな「人が活きる治療院」を全国に増やすために活動しています。
今後のブログでは、
実際にどのようにして“人が活きる治療院”をつくっていくのか、
その具体的な取り組みを紹介していきます。